2026/08/09 撮影地:筑波実験植物園
ロージーカボンバ(Cabomba furcata)は熱帯アメリカ原産のハゴロモモ科ハゴロモモ属の多年生水生被子植物です。扇状に細かく裂けた沈水葉が特徴で、強い光の下では赤、紫紅、桃色になります。被子植物の初期分岐群の一つであるスイレン目に属し、似た沈水葉をもつマツモとは遠縁です。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学名 | Cabomba furcata Schult. & Schult.f. |
| 科・属 | ハゴロモモ科(Cabombaceae)/ハゴロモモ属(Cabomba) |
| 目 | スイレン目(Nymphaeales) |
| 和名・流通名 | ロージーカボンバ、レッドカボンバ |
| 中国名 | 红卡邦巴、红菊花草 |
| 英名 | Red cabomba / Forked fanwort |
| 原産地 | 中央アメリカ、南アメリカ北部からブラジルなど熱帯アメリカ |
| 花期 | 温暖な適地では生育期に順次開花し、熱帯では季節性が明瞭でない |
| 果実の成熟期 | 受粉後に成熟し、固定した月はない |
| 毒性 | 一般に明確な毒性はないとされる |
| 薬用 | 一般的な薬用植物ではない |
| 特徴 | 扇状に細裂する赤い沈水葉、異形葉性、小型浮葉、水面上で咲く花をもつ初期分岐被子植物 |
原産地・水生適応
中央アメリカ、南アメリカ北部、アマゾン流域、ブラジルなどの池、湖、緩流部に生育します。細長い茎の大半を水中へ置き、開花時に一部を水面へ出します。温暖で十分な光を好み、赤い色は光、養分、生理状態に左右され、条件が悪いと緑色になったり生育不良になったりします。
スイレン目という古い分岐位置に属しますが、現生種そのものを「原始植物」や生きた化石と呼ぶのは適切ではありません。古いのは系統の分岐位置であり、本種も長い独自進化を経ています。マツモとの似た細裂葉は、水流抵抗を減らし表面積を得る水中生活への収斂です。
花期と異形葉
通常見られる沈水葉は対生し、高度に分裂した線形裂片が扇形または円形に広がります。水流抵抗を減らし、水中光合成と物質交換に有利です。
水面近くや生殖期には、細裂しない小型で単純な浮葉を形成します。同じ株が水中と水面で異なる発生プログラムを使い分ける異形葉性の例です。
小型の花は水面上で開き、桃色、紫紅色から紫色で明瞭な花被をもちます。受粉後は種子を含む果実をつくりますが、水槽では茎の挿し芽や断片でも容易に栄養繁殖します。
毒性
人体への明確な毒性は一般に知られず、通常の栽培や接触に特別な危険はありません。ただし食用・薬用植物ではありません。野外採取株では、水中の微生物、寄生生物、重金属など植物以外の汚染にも注意が必要です。