2026/07/04 撮影地:小石川植物園
Jumellea major はマダガスカル固有の多年生着生ランです。熱帯林の幹や枝に生育し、太い気根と厚い革質葉をもちます。白から淡黄緑色の細長い花被と花距をもち、夜行性の長い口吻をもつガ類との送粉関係が考えられます。写真の花は終花期で、黄変と巻き込みが進んでいます。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学名 | Jumellea major Schltr. |
| 科・属 | ラン科(Orchidaceae)/ジュメレア属(Jumellea) |
| 目 | キジカクシ目(Asparagales) |
| 和名・流通名 | ジュメレア・マヨール |
| 中国名 | 大双姝兰(暫定名) |
| 英名 | 主に学名で呼ばれる |
| 原産地 | マダガスカル |
| 花期 | 季節と標高、栽培環境により変化する |
| 果実の成熟期 | 授粉後の蒴果は通常数か月で成熟する |
| 毒性 | 明確な毒性記録はないが食用植物ではない |
| 薬用 | 信頼できる主要薬用資料はない |
| 特徴 | マダガスカル固有の着生ラン。厚い革質葉、発達した気根、蜜を入れる花距、長口吻ガ類に関連する送粉系をもつ |
原産地・着生適応
アフリカ大陸から長く隔離され固有植物率の高いマダガスカルだけに自然分布します。発達した気根で樹皮に付着し、外層の根被(velamen)が雨、朝霧、高湿度時の水を素早く吸収します。降雨後に急速に乾く樹上環境へ適応し、厚い革質葉で水分損失を抑えます。
ジュメレア属を含むマダガスカル・西インド洋のランには長い花距をもつ種が多く、深部の蜜へ届く長口吻のガとの間で相互選択が生じます。長い花距は送粉者を限定し、長い口吻は深い蜜を利用しやすくします。
花・送粉・種子
葉腋付近から花を出し、白、乳白、淡黄緑色の花被は老化すると黄変します。3枚の萼片、2枚の花弁、特殊化した唇弁と合蕊柱をもち、後方へ蜜を入れる花距を伸ばします。
ガが香りに誘われて長い口吻を花距へ差し込むと、頭部や体が花粉塊と柱頭付近に接触し、次の花へ花粉を運びます。葉は狭長楕円形から帯状楕円形で厚く、短い茎の両側に並びます。太い気根は空中へ露出し樹皮や基質へ付着します。
受粉後は大量の微小種子を含む蒴果になります。養分貯蔵の乏しい種子は、自然界で菌根菌との関係を得て発芽します。
毒性
明確な毒性を示す資料はありませんが、食用・薬用植物ではありません。通常の観賞と接触に特別な危険はなく、剪定や根の処理後に手を洗う一般的な園芸衛生で十分です。