SPECIES ·

コチョウセッコク

Dendrobium bigibbum Lindl.

ラン科 · セッコク属

花・胞子の時期

自生地では乾季末から雨季初め。栽培では変化する

原産地

オーストラリア北東部、ニューギニア南部と周辺地域

毒性

明確な強毒性記録はないが、安易な食用は推奨されない

特徴

桃紫色の大型花、竹節状偽球茎、季節的乾燥への耐性をもち、デンファレ型交配種の重要な親となった

KNOWLEDGE NOTE

出典・内容を順次整備

2026/07/04 撮影地:小石川植物園

コチョウセッコク(Dendrobium bigibbum)はオーストラリア北東部からニューギニア南部原産の多年生着生ランです。太く長い節状偽球茎の上部から花序を出し、大きな桃、紫紅から紫色の花を咲かせます。現代のデンファレ型園芸デンドロビウムの重要な原種・育種素材です。

基本情報

項目内容
学名Dendrobium bigibbum Lindl.
科・属ラン科(Orchidaceae)/セッコク属(Dendrobium
キジカクシ目(Asparagales)
和名・流通名デンドロビウム・ビギバム/コチョウセッコク
中国名蝴蝶石斛
英名Cooktown Orchid / Mauve Butterfly Orchid
原産地オーストラリア北東部、ニューギニア南部と周辺地域
花期自生地では乾季末から雨季初め。栽培では変化する
果実の成熟期授粉後数か月で蒴果が成熟する
毒性明確な強毒性記録はないが、安易な食用は推奨されない
薬用伝統薬用石斛の主要原料ではない
特徴桃紫色の大型花、竹節状偽球茎、季節的乾燥への耐性をもち、デンファレ型交配種の重要な親となった

原産地・園芸利用

オーストラリア北東部クイーンズランド、特にヨーク岬半島からニューギニア南部に分布し、樹幹、枝、岩へ着生します。寄生せず、雨、空中湿度、樹皮の有機物から水と無機塩を得ます。

節の明瞭な太い茎は水と養分を蓄える偽球茎状茎で、乾季を耐えます。葉を失い骨のように見える老茎も生きている場合は貯蔵、再萌芽、資源調整に関わります。

クイーンズランド州の花のシンボルで、現地では Cooktown Orchid と呼ばれます。近縁種とともに育種へ用いられ、花の大きさ、幅、花数、色、花序の整い、花もちを選抜した世界的なデンファレ型交配群を生みました。花店の株は純粋な本種ではなく交配後代であることが多い植物です。

花・果実・種子

成熟偽球茎上部の節から長い花序を出し、数センチ幅の大輪を複数咲かせます。野生型は桃から桃紫・紫紅色。3枚の萼片、2枚の花弁、特殊化した唇弁、中央の合蕊柱と花粉塊をもちます。唇弁は色と形で送粉者を誘導します。

蒴果は粉塵状の種子を大量に放ちます。種子には栄養貯蔵がほとんどないため、自然発芽には適切な菌根菌との関係が必要です。

毒性

明確な強毒性記録はなく、通常の観賞・接触に問題はありません。ただし、すべての Dendrobium が中薬の「石斛」になるわけではありません。本種や園芸交配デンファレを薬用・食用にしないでください。