2026/08/09 撮影地:筑波実験植物園
アマミエビネ(Calanthe amamiana)は琉球地域固有の多年生地生ランで、信頼できる分布記録は奄美大島に集中します。幅広いひだ状葉と白花をもち、環境省絶滅危惧IA類(CR)です。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学名 | Calanthe amamiana Fukuy.。Kew POWOでは Calanthe discolor var. amamiana の異名として扱う |
| 科・属 | ラン科(Orchidaceae)/エビネ属(Calanthe) |
| 目 | キジカクシ目(Asparagales) |
| 和名 | アマミエビネ(奄美海老根) |
| 中国名 | 奄美虾脊兰(暫定名) |
| 英名 | 統一された一般名はない |
| 原産地 | 日本琉球地域、主に奄美大島 |
| 花期 | 冬末から春。栽培では2~3月に開花することがある |
| 果実の成熟期 | 授粉後数か月、春末から夏以降 |
| 毒性 | 明確な強毒性記録はないが食用植物ではない |
| 薬用 | 明確な現代薬用価値を示す資料はない |
| 特徴 | 奄美大島の希少地生ラン。幅広いひだ葉、白花をもち、盗掘・園芸採取・生息地改変の圧力を受ける |
日本の植物園資料では Calanthe amamiana、国際データベースでは C. discolor var. amamiana に含める扱いがあるため、両名を保存する必要があります。
生育環境・保全
湿潤で空中湿度が高く、長期冠水しない森林の腐植質土壌へ根と偽球茎を置く地生ランです。葉は楕円から長楕円形で、平行脈に沿う強い縦ひだが扇のように見えます。「エビネ」は連続する地下根茎・偽球茎がエビの体に似ることに由来します。
盗掘、園芸採集、土地改変で強い圧力を受けます。園芸需要そのものではなく、野生採取が直接の保全問題であり、栽培には由来の明確な人工繁殖株だけを選ぶべきです。
花・葉・種子
冬末から春、基部付近から直立総状花序を出し、主に純白の花をつけます。白い萼片・花弁と特殊化した唇弁をもちます。数枚の大きく柔らかな縦ひだ葉だけでもエビネ類と判断しやすい姿です。
短い根茎と偽球茎が多年にわたり連なります。授粉後の蒴果は大量の微小種子を放ち、自然界での発芽は特定の菌根菌へ強く依存します。
識別の要点は、奄美大島、地生、幅広い強いひだ葉、直立花序、白花です。
毒性
明確な強毒性記録はありませんが、食用安全性資料がなく、食用植物でもありません。バニラなど一部のランの食用性をほかのランへ当てはめてはいけません。